名古屋城本丸、御深井丸「猿面の席」
桜も散りはてる春の嵐の中、雨に濡れる新緑の名古屋城内御深井(おふけ)丸の茶室群を借り切り、当尾州有楽流宗匠の米寿と結成十周年を寿いで茶会が決行された。
濃茶・薄茶の各席での織田信長とその弟である長益有楽斎にまつわる道具組による古格の点前は当流社中にも雨の中参席された客にとってもまたとない眼福とおもてなしだったろう。
それに「茶室ジャック」と称して各地にひっそりと遺る有名無名の茶室群を現代に活用できぬものかと秘かに企む身としては千載一遇、
前日から木戸ご免のお庭番になりきって非公開の路次・庭を掃除しながら天平伽藍石蹲踞・飛石からタンポポ・スミレなど草花・樹木に至るまでじっくり観察できた。
そして念願の清洲城時代の信長と藤吉郎の逸話に因んだ古田織部の作事を戦後になって忠実に復元された旧国宝「猿面の席」の外観のみならず四畳半大目の茶室の織部の作意もつぶさに実感することができたのが嬉しかった。
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寄付「又隠席」での道具組拝見
濃茶席「猿面の席」の床、大目構え
有楽流如翠会結成十周年記念茶会 会記
二〇一二年卯月二十二日
於 名古屋城茶苑
寄付 又隠席
床 訥言筆 麦穂之図
(軸前ニ道具荘ッテ拝見)
香合 志野 鏡摘 (坂井弘風作ノ織田木瓜形糸組釜敷ヲ敷イテ)
香 御題香 銘 「岸」 志野流 蜂谷宗玄好
茶入 唐物大海
銘 「田子の浦 」 松浦鎮信箱書、古筆了仲極書
仕覆 名物裂
笹蔓緞子
盆 唐物四方 蝋色七宝文螺鈿
茶碗 瀬戸伯庵(青海波金蒔絵ニテ繕イ)
茶杓 有楽斎作
共筒 小堀宗中箱、古筆了仲極書
(如庵移設記念袱紗ニ載セテ)
濃茶席 猿面の席(四畳半大目)
床 有楽斎手簡「尊書、殊明後三日之昼 於伏見御茶可給之由」云々
古筆了延・了意極書
表装 織田貞置(信長孫)好(中廻・風袋
縹色地印金、一文字 古金襴)
大井戸茶碗
銘「九重」 信長ヨリ有楽斎拝領(床ニ荘ッテ)
花入 竹一重切
銘「村雨」 芦泉松本見休(尾張侯茶堂)作 在判・箱書
山本道伝所持
花 季のもの
釜 有楽斎所持 濡烏尾垂 写 紹鴎ー有楽斎ー尾張徳川家ー鈍翁伝来
炉縁 時代 沢栗
水指 瀬戸一重口
茶入 黒織部
茶碗 井戸 銘「枯露」 内藤家伝来
袱紗 名物裂「富田金襴」 猿庵富田重助箱
替 古萩 井戸
替 唐津 金海猫掻手
茶杓 心空庵六代平尾数也(尾張徳川家数寄屋頭)作 共筒・箱
建水 古備前
蓋置 古銅墨台
茶 銘「柳城ノ昔」 碧園詰
菓子 銘「忘れ水」 芳光製
菓子器 黄瀬戸台鉢
薄茶席 書院広間
床 元信印「山水楼閣図」
床脇 青磁硯屏
玉取獅子龍文
違棚 香炉 古瀬戸印花
花入
信楽擂座 銘「みやこ蓮華」 秋元家伝来
片桐石州箱・蓋裏ニ和歌色紙
「駿河なる雪の峰よりさすらひくるほとけのおろしげんげまんだら」
花 季のもの
釜 真形七五桐文 鋳込銘「正伝院常什 三過老人(織田貞置)写」
正伝院伝来
炉縁 真塗 織田木瓜・五三桐文蒔絵
棚 牡丹棚 有楽好
水指 南京染付絵替四方
薄茶器 御紋棗 「伏見御所ヨリ」 神楽岡不入
箱書付
茶杓 織田貞置公作・共筒
茶碗 蕎麦 銘「雪柳」
蓋置 高取 三ッ葉
建水 木地曲内朱
茶 銘「金鯱ノ青」 碧園詰
菓子 銘「すえ廣」 芳光製
干菓子 二種 銘「荒磯」「四海波」
干菓子盆 桑足打折敷 不老亀蒔絵 春正在判
煙草盆 時代網代塗蓋
火入 織部筒唐草文
莨壷 古七宝
鳳凰文
煙管 時代宣徳
点心席 書院次の間ニテ
床 冷泉為忝筆「業平図」
「蔵人所衆関白直盧預従五位下行式部少丞菅原為忝」落款
点心 上京 調製
織部堂
床 竹田益州筆 円相「露堂々」
(月谷初子作陶彫像ヲ荘ッテ)
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